Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
申請者は、本研究最終年度である本年度において、これまで調査してきたカナダの同性愛者の権利をめぐる運動の歴史・議論状況をまとめ、合衆国における同性愛者をめぐる議論との比較を試み、論文として発表した。そこで明らかにしたのは、たしかに合衆国に比べ同性婚が全国レヴェルで認められるようになったカナダでは、社会保障上の異性愛カップルとの平等の実現や一般的なレヴェルでの同性愛者たちへの配慮、といった点で、同性愛者たちの社会的地位を向上させたといえる。しかしながら、同性愛者の運動が、「同性婚」として婚姻関係から派生する諸権利を求める権利獲得運動へと収斂することによって、広く一般社会における異性愛中心主義を変革する力が削がれている、という問題を明らかにした[成果として、「「承認の政治」に賭けられているもの--解放か権利の平等か」『法社会学』六四号]。以上をふまえ、本年度はさらに、(1)「自己」の存在確認にとって重要な「他者」との関係性をつむぐ場に関して、同性愛者当事者たちはどのように考えてきたのかについての調査、(2)思想史において「家族」がいかなる場として規範的に規定されてきたかについての考察、(3)フェミニズム理論における「ケアの倫理」に注目しながら、家族構成員の関係性、彼女たち/かれらの様々な活動に関して研究をした。[成果として、「女から生まれる--「家族」からの解放/「ファミリー」の解放--」『F-GENSジャーナル』7号】。
All 2007 2006 2005 2004
All Journal Article (7 results) Book (2 results)
F-GENS ジャーナル 7号
Pages: 52-59
法社会学 64号
Pages: 60-76
130003426157
法律時報 78巻・1号
Pages: 47-52
女性学 13号
Pages: 27-39
現代思想 33・10
Pages: 80-91
現代思想 32巻・7号
Pages: 180-193
現代思想 32巻・10号
Pages: 124-130