二十世紀における「分析」の歴史:精神分析・現象学・分析哲学と言語の「存在」
Project/Area Number |
16720018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 和之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00293118)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 精神分析 / 現象学 / 分析哲学 / 言語 / 存在 / ラカン / 分析 / 20世紀 / メルロ=ポンティ / ウィトゲンシュタイン / フランス / 他者(たち) / 絵画 / フロイト |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき、本年度はまず「分析analysis」を、単に人間がたまさか行う知的な操作にとどまらず、その存在の根幹をなすものとして位置づける構想を、精神分析家ジャック・ラガシが言語的な関係を基にしたエディプス・コンプレックスの再構成を通じて示唆しているとする論考をまとめ、「分析人(ホモ・アナリティクス)の誕生」と題して発表した。また5月には東京大学文学部仏文学研究室主催によるシンポジウム「近代の二つの顔-<前衛>と<後衛>戦争・テクノロジー・記憶」に参加し、ラカンの言語観を規定する「シニフィアン連鎖」の考え方を入間の「分析」的存在という構想の延長線上に位置づける発表「ラカンのクロノ=トポ=ロジ-」を行った。また8月にはラカンのエディプス・コンプレックス概念と「グラフ」の装置を、同一者による他者の回収とその破綻の再帰的なプロセスという観点から.関連付けて論じた発表「同一者の摺曲、あるいはラカンによる欲望の弁証法」を、フランス語哲学会連合の第31回大会(ブダペスト)において行った。これと平行して、ラカンの精神分析のなかで重要な役割を果たしている視覚装置について、表象文化論学会第一回大会において発表を行い(この発表をまとめなおしたテクストは『水声通信』に発表された)、さらにこの視覚的装置を、「ファンタスム」の概念をめぐる議論へと延長することを試みた論文を、2004年におこなった発表をもとにまとめた(『メルロ=ポンティ研究』に掲載予定)。またフランス国立図書館において、精神分析と分析哲学の関係を中心に資料の調査・収集を行った』精神分析と分析哲学・現象学との関係については、領域媒介者に注目しながら研究をすすめ、一定の成果が得られたが、さらに研究を継続する必要があると思われる。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)