『古事記伝』の受容から見る『古事記』古典化過程の研究
Project/Area Number |
16720047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
金沢 英之 札幌大学, 文化学部, 助教授 (00302828)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 古事記 / 古事記伝 / 本居宣長 / 服部中庸 / 三大考 |
Research Abstract |
平成18年度は、平成17年度にひきつづき、『古事記』のテクスト理解の徹底をはかる作業を行い、とくに上巻の神話におけるアマテラス・スサノヲニ神のウケヒからオシホミミが生まれる場面の文脈理解に新たな見解を提示し、論文「オシホミミの位置」として発表した。 次に、『古事記伝』による『古事記』解釈の発展・継承を示す事例として、平田篤胤、鈴木重胤などによる、蝦夷島の起源をめぐる言説についての調査・分析を行った。 松前徳廣撰『蝦夷島奇観補注』(文久三=1863年)は、松前藩十八代藩主であった徳廣が、蝦夷人の名称、由来、風俗、慣習、土地の産物などについて記した書だが、蝦夷島の起源に関し、『古事記伝』を通じて引用した『古事記』の神話に見える蛭子が、流された果てに蝦夷島となったとする説を挙げている。徳廣が直接的に参照するのは鈴木重胤『世継草』序文に見える大瀧光憲の言だが、同説は元をたどれば重胤『日本書紀伝』五之巻に詳述されたものであり、さらに重胤が学んだ平田篤胤『古史伝涯巻二に、蛭子がいずれかの「あしき国」となったとする説にまで淵源をたどることのできるものである。 こうした言説は、『古事記伝』が『古事記』から近世日本の現実を説明し根拠づける神話を読み出そうとした志向の延長線上にあるものであり、蝦夷地の内地化という当時の現実の動きに対応し、本来『古事記』の神話に含まれるはずのない蝦夷島の起源を神話的に整合させようとする試みとして捉えることができる。また、重胤の言説が実際に蝦夷地を根拠とした松前徳廣に受容される課程で、蝦夷地の神話的価値付けが変化してゆく点も注目される。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)