日露戦争期英国における日本人の言論活動と英国黄禍論文学との相互影響の研究
Project/Area Number |
16720069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Literatures/Literary theories in other countries and areas
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
橋本 順光 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (80334613)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 黄禍論 / 日露戦争 / 武士道 / フー・マンチュー / 英文学 / ジャポニスム / 『ゲイシャ』 / 『大英帝国衰亡史』 / 「比類なき侵略」 / ツーリズム / ジャック・ロンドン / ジャポニズム / 英国衰亡論 / 岡倉天心 / 並河靖之 / ラフカディオ・ハーン |
Research Abstract |
日露戦争期に関係する文献および展覧会カタログを内外の書店から広く購入し、調査を行った。その成果として2本の英語論文を発表し、関連資料を全七巻のYellow Peril : Collection of British Novels 1895-1913(『英国黄禍論小説集成』)で復刻した。 第一の英語論文"White Hope or Yellow Peril?"(「白人代表か黄禍か」)では、日露戦争期の英国における武士道の流行とその黄禍論への変容について論じた。世紀末の退廃から再生を希求するエドワード朝において武士道が流行した理由を詳述し、その際に、新渡戸の『武士道』よりむしろ、日英のジャーナリストたちがその流行を作り出したことを指摘した。一方、日露戦争後、インドなどでの独立運動が盛んになるにつれて、武士道が狂信的愛国主義として指弾され、黄禍論へと援用されたことも指摘した。 第二の英語論文"Who is Fu Manchu?"(「フー・マンチューとは誰か」)では、日露戦争後に英国で黄禍論小説が流行していった背景を詳述した。アメリカやオーストラリアに比べ、東洋系移民が少なかっただけに、娯楽として黄禍論が流行したこと、その際に、武士道の流行においてみられたように東洋人による英語論文が援用されたことを指摘した。 第三に、三年間の調査で発掘した英国における黄禍論小説を全七巻のYellow Peril : Collection of British Novels 1895-1913(『英国黄禍論小説集成』)で復刻した。同じものが、2007年の6月以降には、英国のRoutledgeから出版される予定であり、従来、看過されてきた英国における黄禍論小説を、日英の相互交流のなかで位置づけ、あわせて主要資料を復刻することが可能になった。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)