Project/Area Number |
16720151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉江 崇 京都大学, 文学研究科, 助手 (50362570)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 宮廷儀礼 / 饗宴儀礼 / 土器 / 様器 / 白色土器 / 春日土器 / 黒色土器 / 律令官僚制 / 春日器 / 深草器 / 中世都市京都 / 吉田地域 / 儀礼空間 / 装束使 / 律令天皇制 / 神祇官 / 祭祀空間 |
Research Abstract |
本研究においては、平安京・京都で出土する<土器>の器形的・器種的な変容が、文献史料を通じて知られる宮廷儀礼の変容といかなる関係にあるかについて考察することを目的としている。<土器>を中心とした食器に関わる文献史料を抽出する作業を、研究の第一段階においていたが、これについては前年度までにひとまず終了している。したがって、本研究の最終年度にあたる今年度は、それにもとづく考察をおこない、研究の総括をおこなうことを課題とした。 平成18年7月に法政大学で催された歴史学研究会古代史部会において、口頭にて研究の中間報告をおこなった。そこでの質疑応答などでえられた知見などをふまえながら、同年11月に学術論文として成果をあらためて公表した。そこでは、(1)宮廷でなされた饗宴儀礼は、食器の種類や飲食の形態を通じて2つに類型化することが可能であること、(2)そのうち日常的になされた饗宴儀礼の形態が平安時代以降に盛行していき、それにともなって様器などの華やかな食器が出現したこと、(3)9世紀初頭に律令官人の食事が自動的に与えられるものから給与的なものへ変質し、それと表裏の関係にあるものとして、天皇の侍従的性格を濃くした公卿たちによって中・下級官人へ食事を与える機会が増加したことが、如上の変化の背景にあると推測しうること、のおおむね3点を指摘した。活況を呈している儀礼研究のなかに考古資料を位置づけようという、本研究の当初の目的は達成できたものと考える。 また、そうした成果の報告と並行して、饗宴儀礼に関わる史料の調査をおこなった。そこでは、個々の宮廷儀礼についての日記や記録を収載した部類記とよばれる史料を調査対象としたが、部類記のなかには饗宴儀礼以外のものも多く含まれており、全体像の把握というところまではいたらなかった。部類記に関する調査研究については今後の課題としたい。
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