20世紀国際社会における環境保護論の展開とイギリス帝国
Project/Area Number |
16720176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Kyushu Sangyo University (2006) Osaka University (2004-2005) |
Principal Investigator |
水野 祥子 九州産業大学, 経済学部, 講師 (40372601)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 林学 / 帝国 / コモンウェルス / 森林保護 / 環境史 / インド / 乾燥化 / イギリス帝国 / 世界木材飢饉 / 森林管理官 |
Research Abstract |
第二次世界大戦後、活動を再開した帝国林学協会は、1947年にイギリスで第5回帝国林学会議を開催した。1952年にカナダで開かれた第6回会議から、コモンウェルス林学会議に名称が変更され、脱植民地化の流れのなかで「帝国」という枠組みから「コモンウェルス」へと再編する動きが見られた。1957年にオーストラリア・ニュージーランドで開催された第7回会議までの議事録や報告書などの分析から、FAOなどの国連機関と、旧植民地(発展途上国)の開発と資源保全に関して、協力体制を構築しようと意図していたことが明らかになった。他方で、植民地支配の経験知を基盤にした途上国への支援/干渉の意義を強調し、グローバルな森林保護の推進において、コモンウェルス独自の役割を果たそうとアピールしていた。 さらに、1875年から刊行されているインドの林学専門誌Indian Foresterの分析を1950年代まで行った。インド森林局の組織編成は、植民地時代末期の「インド人化(Indianization)」の延長線上にあり、独立後の森林政策は、基本的に植民地期に確立したものを継承していたといえよう。少なくとも1950年代までのインド森林管理官の間では、コモンウェルスという体制のなかで森林保護を目的とする協力関係を維持していこうとする動きに対し、表立った批判や議論は見られず、むしろ当然のことと考えられていた。帝国/コモンウェルス林学会議に参加したアジア・アフリカ諸地域の森林管理官も同様であった。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)