「民俗芸術」概念の再検討による芸術・娯楽の民俗学の可能性
Project/Area Number |
16720210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真鍋 昌賢 大阪大学, 文学研究科, 助手 (50346152)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 民俗 / 芸術 / 民衆 / 娯楽 / 思想史 / 生活 / 芸能 / メディア / 思想・実践史 / 研究者の認識論 / ポピュラーアート / 民族 |
Research Abstract |
本年度も「民俗芸術」概念の定位のための基礎文献収集を引き続き行った。特に今年度は音楽・民謡・民俗芸能関係の思想史・実践史をさぐるための資料を中心に収集した。「民俗芸術」概念は、それは「民俗」研究のなかで理解されるものではなく、1910-30年代における<生>と<民>の交差する実践領域を切り出そうとする欲望としてより一般的な枠組みのもとに位置づけられるべきであることが明らかになってきた。具体的に言うと、ひとつには、自然主義と民俗研究の距離、関係性を具体的な歴史的変遷のなかで分析する必要性がある。明治末期以降民衆概念が芸術・文学のなかでもてはやさ麹ていく一方で柳田の民間伝承への関心がはぐくまれていく。この両者は、積極的に同一平面で比較の水準を設定されることはまれであったが、「生活」の研究・芸術化という焦点のもとにいまいちど丹念にみていく必要があるだろう。一般的な生活をまなざす視線の性格は、研究者の認識論と深く関わっており、民俗研究のこれからのデザインの根幹にかかわってくる。また本年度は両大戦間期の芸術をめぐる社会思想の思想史的研究に注目するために、理念的ではなく社会事業として「民衆娯楽」に取り組んだ志賀志那人の娯楽・芸術にまつわる活動を研究した。さらに「民俗芸術」はさまざまな複製技術を背景として具体的な像を形成してきたことについて考えていくために、町田嘉章の活動の研究をおこなった。町田は新聞・レコード・ラジオといった各種メディアに関わりをもつなかで、舞踊・邦楽・民謡の記録・保存に関心を注いだ人物であり、時代に刻印された限界を明らかにするなかで、町田が「民謡」をどのようにして聞いていたのかについての予備的考察をおこなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)