都市祭礼における「わざ」習得過程の民俗学的研究-都市民俗の把握にむけて-
Project/Area Number |
16720218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | Daito Bunka University (2005) Hagi International University (2004) |
Principal Investigator |
中野 紀和 大東文化大学, 経営学部, 助教授 (80320084)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 民俗学 / 身体技法 / 都市 / 文化資源 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は、都市社会における民俗の展開を把握するために、祭礼における「わざ」の変遷を明らかにし、その習得過程を社会的文脈の中で位置づけることであった。祭礼を特徴づける身体表現は、それ自体が「伝統性」や「歴史性」を表象すると同時に、参加に際しては「わざ」の習得が欠かせない。具体的に、福岡県北九州市の「小倉祗園太鼓」と徳島県徳島市の「阿波踊り」を取り上げ、映像民俗誌を作成した。 2.本研究では次の4点が明らかになった。(1)地域の主要産業の衰退後に行事に大きな変化が表れている(文化資源としての模索)。(2)戦前から戦後にかけての大規模イベントが、現代的な祭礼や芸能のあり方を方向付けた(文化資源としての方向性の確定)。(3)各行事の転換期に際しては、メディアの影響・活動域の拡大・モノ(衣装等)の変化といった3要素の複合・反復がみられる。(4)変化の過程で行事が本来の文脈と切り離されることに対し、認識の相違が起こること、それらは身体を使った表現に対する認識の相違として表出されやすい。このように「わざ」のあり方と社会状況を交差させ、さらに事例を比較することで、地域による時間的な差はあるが、行事の中に同様の動きを見出すことができた。このことは、神社祭祀やイベントといった起源の違いを超えて、近代以降の民俗の動態を考える際の重要な鍵となることが考えられる。 3.以上の成果は、学術雑誌等に発表した(本研究発表欄参照)ほか、日本文化人類学会第38回研究大会(2004年)において、分科会「拡大する都市祭礼と地域への回帰:身体性と地域性の観点から」(代表者:中野紀和)を組織し、口頭発表(「地域表象としての太鼓」)を行った。日本民俗学会第57回年会(2005年)においても、口頭発表(「『わざ』とメディアからみた『民俗』の構築過程」)を行い、その中で映像民俗誌の一部も提示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)