Project/Area Number |
16730017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
新井 誠 釧路公立大学, 経済学部, 助教授 (20336415)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 議会制 / 議員特権 / 免責特権 / 不逮捕特権 / 議員の身分保障 / フランス憲法 |
Research Abstract |
本研究課題に関して、本年度は次のような研究を行った。 まず、昨年に続き、収集したフランスにおける議員の不逮捕特権に関する文献資料について読み進め、あわせて議員の免責特権に関する検証も行い、議員特権の法的本質について、「議院」の特権と「議員」の特権の両面から検証することに努めた。こうした研究を通じて、現代における議員の身分保障のあるべき姿を探求した(本研究による主成果ではないが、共著『憲法学の基礎理論』(不磨書房、2006年刊行予定)のうち「国会と『立法権』」の執筆にあたり、本研究の成果が部分的に用いられた)。本課題の研究により、フランスにおける議員特権制度は、イギリスなどのそれとは異なる独自の発達を遂げてきたことがわかった。フランスでも、理論面ではイギリスの憲法理論が歴史的には部分的に参考にされた時代もあったものの、制度としてはその後も独自の展開を見たといってよい。我が国ではこれまでこの分野に関しては、専らイギリスの議論が参照されてきたこともあり、こうしたフランスの研究は少なく、日仏の議員特権の比較憲法的研究についてのさらなる総合的な研究が必要となろう。いずれにせよ、以上の研究課題についての早い段階での論文作成に努めたい。 ところで、本課題では、「議員」という身分にあわせて生じる議員の法的利益について扱った。しかし一方で、こうした身分保障を与えられている議員(または議院)の様々な行為(不作為も含む)の違法性が何らかの方法で阻却されることで、市民の法的利益が満たされない場合が出てくることもありえよう。そこで本年度はその場合の市民救済の問題についてもあわせて検証したことをここに挙げておく(その副次的成果物として、「在外国民の選挙権をめぐる最高裁大法廷判決」法学セミナー612号(2005年12月)が挙げられる)。 なお昨年度の研究実績の概要で挙げた議員免責特権と国家補償の関係に関する論文については、すでに活字体の初校を終えており、編者による刊行準備中であることが見込まれる。
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