Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度は、大きく、(1)日英比較研究、(2)研究の取りまとめ及び研究成果の発表、という2つを行った。前者に寒指定は日英航空輸送産業における規制改革過程の分析結果をもとに、政策過程の比較分析を行った。英国ではBAの民営化、参入・価格規制の緩和、自由化パッケージの推進といったように、段階的に競争導入が行われたのに対し、わが国では航空憲法の廃止という限定的な規制緩和にとどまり、本格的な自由化が行われたのは90年代後半からであった。このように、わが国の航空規制改革が遅れた要因としては、空港容量等の政策遺産による制約や、EU指令にみられる強制的圧力の不在といった制度的要因が指摘されるが、更に、認識的要因として、米国での規制緩和、特にその混乱からの教訓学習及び政策対応に関して、日英間で大きな差異があったことが確認された。一方、後者に関しては、17年度までの研究成果及び本年度の日英比較研究の研究成果のとりまとめをおこない、特に17年度までの理論研究については研究成果の発表を行った。具体的には、まずアイディアという認識的要因と政策変容との因果メカニズムに関して昨年度から考察を行ってきた研究が、『年報行政研究』41号に査読付論文「政策変容とアイディアの因果関係に関する研究」として掲載された。そして、政策変容の分析枠組みに関して、アクター行動についての、(1)利益、(2)アイディア、(3)制度、という3つの分析視角と、政策変容過程での3つの政策学習についてとりまとめた研究が、事例分析とともに『公共政策の変容と政策科学』としての有斐閣から刊行された。
All 2007 2006
All Journal Article (2 results) Book (1 results)
年報行政研究 41号
Pages: 110-130
110004663225
熊本大学社会文化研究 4号
Pages: 1-16