Project/Area Number |
16730087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
International relations
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Research Institution | The University of Kitakyushu (2006) Fuji Women's University (2004-2005) |
Principal Investigator |
五月女 律子 北九州市立大学, 法学部, 助教授 (50326526)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 国際関係論 / 政治学 / 欧州連合(EU) / 欧州統合 / 地域統合 / 国民投票 / スウェーデン / ヨーロッパ政治 |
Research Abstract |
スウェーデンにおいては、EU加盟に関する国民投票が行われる前に4回の国民投票が実施されていたが、いずれも国内政策を問う内容であった。おおむね政府や議会は投票結果を尊重する政策を採ってきたが、再びの国民投票を経ずに後に投票結果と異なる政策が採られている事例もある。EUに関する国内投票は国内政策に関する国民投票と比較して投票率が高く、政府の政策と異なる結果となっても、現在のところ政府は国民の選択に従っている。EUに関する国民投票は、政府の対外政策を国民が選択するという点において、スウェーデン政治に大きな影響を与えたと考えられる。 国民投票における投票キャンペーンでは、既存の政党、利益団体、経済社会組織の間で賛否が分かれ、スウェーデン政治ではこれまで見られなかった組み合わせで賛否の陣営が形成された。また同時に、EUに対する政策に関しては、政治・経済・社会組織の内部を分断して賛否が分かれることとなり、既存組織を横断する形でキャンペーンが進められた。その中では、エリートと大衆、国際産業と国内産業、大都市と地方、性別、などの違いで賛否の相違が顕著であった。EUに関する問題は、スウェーデン国内政治において新たな対立軸となりつつあるといえる。 また、国民投票の実施時期、EU加盟やユーロ導入などをめぐる問題は、政党内部、内閣構成、連立形成などに影響を与えており、それまで政党政治に大きな変化がないことが特徴とされていたスウェーデン政治において、変容が現れ始めているといえる。また、スウェーデンの政治に大きな影響を与えてきた労働組合においても、対EU政策に関しては組織内で賛否が分かれ、EU問題については結束を保てない状況が現れている。今後、EUの政策がますます各国に直接適用されるようになれば、EU問題をめぐってスウェーデン国内政治が対立的な構造に変化する可能性もあると考えられる。
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