Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2005: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2004: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Research Abstract |
本年度はこれまでの分析結果をNakayama(2007)"A Model of Marketing Channel Choice in Internet Age"に論文としてまとめた。この研究では,インターネットが存在する経済において,メーカーが既存の小売業者以外にインターネット上に店舗を持つ小売業者(インターネット小売業者)と取引できる状況をモデル化し,どのような条件の下でメーカーはインターネット小売業者とどのような取引を行うかを分析した。具体的にはHotelling型の線分市場モデルをベースにしてメーカー(一社),既存小売業者(二業者),インターネット小売業者(潜在的には多数)をプレイヤーとする多段階ゲームを構築し,その均衡を考察した。その結果,フランチャイズ料を伴う選択的インターネット販路と開放的インターネット販路はメーカーの利潤を増やす手段としては同等であり,メーカーはインターネット販路を開設するならそのどちらかを選択すること,しかしある条件の下では,フランチャイズ料を伴わない選択的インターネット販路の方が流通チャネル全体の利潤を増やすこと,インターネット販路の導入は小売市場の競争性を増し,消費者余剰を必ず増やすが,総余剰を増やすとは限らないことが明らかになった。ただし,本研究ではインターネット販路が開設されても市場需要が増えないケースに焦点を絞って分析が行われている。インターネット販路が開設される前には財を購入しない消費者が存在し,インターネット販路が開設されることによって市場需要が増えるケースの分析については今後の課題である。
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