Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
ソ連・ロシアにおける地域開発動態と労働力再配分の歴史的分析が本研究の課題であった.ロシア国立経済文書館の所蔵するソ連閣僚会議・ソ連中央統計局内部資料を利用し,第二次世界大戦以前からのソ連における工業立地パターンの把握を行った.それによれば,政策的には地域間平準化を旨としていた社会主義政権下のソ連においても,しかもそのかなり早い時期(1960年代)から既に,工業生産活動が地理的に集中していった過程を見ることが出来た. ソ連の地域経済を概観したのち、情報公開法に基づいて1999年から利用可能となったソ連閣僚会議・ソ連中央統計局内部資料を用いて、ソ連工業化過程初期における地域工業生産の推移を検討した。それにより、ソ連時代初期においては工業生産額の高い地域は各地に分散していたが、そうした高労働生産性を示す地域は時が下るに従いモスクワを中心とする欧州部へ集中していったことを確認出来た。これによりKumo, Soviet Industrial Location : Estimating Industrial Output by Region, Annals of Economic Studies, vol.40, 2001の推計結果を、一次資料によって裏付けることが出来た。その成果は雲和広,「ソビエト初期地域工業化過程:ソ連中央統計局内部資料による再検討」,『経済研究(大阪府立大学)』,2004年,pp.81-94等として公表した。 地域開発の事例として、極東の経済とその現状把握とも併せて進めた。これによりロシア極東の抱える産業構造上の問題を示したが、この成果は論文(1)Современное Состояние Экономики Дальнего Востока России и Северо-Восточная Аэия : Вэгляд с Японии, mimeo.,および(2)「ロシア極東地域の経済開発と北東アジア」,『東アジアへの視点』,第16巻第3号,2005年9月,pp.24-35である。
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