Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度は研究テーマの最終年度である。そこで、これまでの研究のまとめると同時に、これまでの研究成果をベースに今後の研究課題を得ることに重点が置かれた。今年度の研究の成果をまとめると、2つ挙げられる。第1に、製品アーキテクチャの変化としてのモジュラー化プロセスは、いくつかの段階を踏んで一定方向や一定の手順で進行するとは限らないことを示したことである。そのプロセスは、製品アーキテクチャの変化と企業間関係の変化の相互作用によって、創発的かつ複雑なプロセスで起こる可能性がある。この結果は、これまでの製品アーキテクチャ論に関する先行研究であまり注目しなかった、製品アーキテクチャの変化プロセスとしてのモジュラー化プロセスを明らかにしたことは本研究の貢献であろう。第2に、製品知識が複数企業に分散している場合、製品アーキテクチャの見直しのため、分散された知識を統合するプロセスが先行すべきであることである。言い換えると、製品アーキテクチャの変化プロセスとしてのモジュラー化プロセスは、知識の統合化プロセスとして捉えることができることである。製品アーキテクチャの変化の際、特にモジュラー化プロセスにおいても、組織内部製品全体に関する知識の保持、統合が重要であることが示唆された。これまでの研究は製品アーキテクチャのタイプと知識及び組織のタイプとの間には対応関係にあるとした。しかし、本研究の結果からみると、製品アーキテクチャのモジュラー化への移行プロセス期においては、新たな製品設計の見直しのために、モジュラー型組織形態や知識タイプが要求されるより、むしろ製品システムに関する幅広く深い知識を統合できるインテグラル型組織構造が必要になることである。
All 2006 2005 2004
All Journal Article (9 results)
日本経営学会誌 第17号
Pages: 15-28
東京大学ものづくり経営研究センター、ディスカッションペーパー.http://www.ut-mmrc.jp/ 2005-MMRC-85
Pages: 69-69
東京大学経済学研究科 博士学位請求論文(3月28日提出)
Pages: 190-190
組織学会全国研究発表大会(横浜国立大学)
Pages: 223-226
東京大学ものづくり経営研究センター(MMRC),ディスカッションペーパー.http://www.ut-mmrc.jp/ 2005-MMRC-45
Pages: 35-35
東京大学ものづくり経営研究センター ディスカッションペーパー (未定)(発表予定)
月刊テクノロジーマネジメント 3月号
Pages: 12-19
京都マネジメント・レビュー 第6号
Pages: 167-182
組織間関係とイノベーションの創造に関する調査(財団法人機械工業経済研究報告書) H15-2
Pages: 41-68