Project/Area Number |
16730318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Social psychology
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Research Institution | Hiroshima International University (2006) University of East Asia (2004-2005) |
Principal Investigator |
西村 太志 広島国際大学, 心理科学部, 講師 (30368823)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 他者選択 / 自尊心 / 説得・納得ゲーム / 客観性 / 情緒性 / 一般的信頼 / 対人ネットワーク / 架空人物選択 / 対人相互作用 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までの本研究課題の遂行で得られた成果をさらに深めるため、説得納得ゲーム(杉浦,2003)の手法を援用した他者選択過程の様相の検討を中心に行った。説得納得ゲームを3つの対象に実施し、それぞれの対象や条件設定における選択過程の差異の比較を行った。対象としたものは、大学1年生100名を対象とした前年度実施形式と同様の一回限りの説得納得ゲームと、看護学校生70名を対象とした2つのテーマを設定した繰り返しの説得納得ゲームと、大学生70名を対象とした社会的迷惑行為に対する注意を扱った、納得者側がアイデアを呈示する説得納得ゲームである。その結果、納得者側がアイデアを呈示する形式では、相手の内容の理解が重要であるため、セッション中の選択人数は従来型と比べて少なくなり、ゲーム内での相互作用の質が肯定的になることが主に示された。なおこの結果の一部は、2007年度の心理学関係の学会で発表予定である。 さらに、昨年度実施した88名の大学生対象の調査のデータを再分析し、自己評価過程における他者選択に、一般的信頼感が及ぼす影響を検討した。この調査では身近な重要他者2名を自己の持つネットワークから選択させ、重要な順にAさんBさんと名付けた。さらに、彼ら(A, B)が自己にとって客観的属性を持つ人物なのか、情緒的属性を持つ人物であるのかを評定させた。その結果、一般的信頼感の高い人は、より重要な人物であるAさんに、一般的信頼感の低い人は相対的に重要性が低いBさんに客観的要素を求める傾向が認められた。さらに、これら2人の人物間の親密性と一般的信頼感の相関を検討したところ、有意な正の相関が認められた。これらの結果は、一般的信頼感の違いにより、自己が必要とする情報源の優先順位が異なり、ネットワーク構築のあり方自体も異なる可能性を示唆するものであるといえる。この結果は、7月に開催された国際応用心理学会議(ギリシャ)において報告し、結果に対する議論を深めることができた。
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