Project/Area Number |
16730325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educational psychology
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Research Institution | Osaka University (2005) Mie University (2004) |
Principal Investigator |
中谷 素之 大阪大学, 人間科学研究科, 助教授 (60303575)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 精神的回復力 / 死別経験 / 心理的適応 / 施設養育 / 青年期 / 看護実習 / 抑うつ / 愛着 |
Research Abstract |
本年度の研究では、青年期における精神的回復(レジリエンス)について、以下の2つの観点から検討を行った。 1.青年期後期における死別経験からの精神的回復過程に関する研究 われわれにとって重要な他者との死別は、きわめて大きなストレスイベントであり、深刻な心理的不適応を生じることもありうる。第一の研究では、大学生を対象として、死別経験とそこからの心理的適応過程について実証的に検討した。国立大学法人の大学1,2年生240名を対象に、死別経験、葬儀経験、精神的回復力、ソーシャルサポートおよび自尊心の各尺度が集団形式で実施された。その結果、他者との死別を経験したとしても、高い精神的回復力をもつものは、自尊心が維持されていることが示され、精神的回復力の効果が認められる結果となった。 2.青年期前期における養育経験と精神的回復力の関連に関する研究 個人がどのような養育環境のなかで生育していくかということは、パーソナリティの形成と発達に対して非常に広範かつ重大な影響力をもつ。第二の研究では、主に家庭の養育環境に問題があり、施設養育を受けている中学生を対象に、どのような精神的回復力を有するかについて、一般校の中学生と比較しつつ検討した。一般校の1年〜3年生70名と、施設養育を受けている中学生10名を対象に簡略化した精神的回復力尺度を実施した。その結果、精神的回復力尺度およびその下位尺度(新奇性追求、感情調整、未来志向)には有意な差はみられず、精神的回復力の形成には差が見られないことが示唆され、また質問紙による回復力の測定の問題も議論された。 両研究とも、これまでのわが国のレジリエンス研究にはみられない、意義ある知見を示している。現在データ分析・論文の概要が決定しており、複数の論文の投稿に向け鋭意研究を進めている。
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