他者存在による笑い表情の表出とリラクゼーション効果に関する健康心理学的研究
Project/Area Number |
16730358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | Jin-ai University |
Principal Investigator |
大森 慈子 仁愛大学, 人間学部, 助教授 (90340033)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 他者存在 / 表情 / 表情操作 / 評価者 / 感情 / リラクセーション / 笑顔 / 課題遂行 / ストレス / リラックス感 / 写真 / 面白さ / 快-不快感情 / 瞬目 / 心拍 / リラクゼーション / 会話場面 |
Research Abstract |
他者の表情の違いが感情に与える影響について検討するため、表情写真呈示中の自発性瞬目を測定して調べた。実験では、日本人および欧米人による笑い表情、怒り表情、無表情の表情写真を15インチのモニターに各20s呈示し、瞬目および心拍を記録した。また、表情写真に対する感情評定と印象評定も行われた。その結果、笑い表情呈示中の感情は快と評定されたものの、笑い表情よりも怒り表情を見ているときのほうが瞬目は少なかった。他者の怒り表情に対してより注意や興味が向けられる一方で、笑い表情を見ているだけでポジティブな感情が喚起される可能性が示された。 また、表情操作が写真刺激によって喚起される感情に与える影響について調べるため、表情操作をしながら写真を見ているときの感情を生理反応と主観的評定から検討した。表情操作はストローのくわえ方によって行い、被験者には顔面体操であると説明された。その結果、悲しい顔をしていると心拍率が高く、一方、笑顔を作りながら快刺激を見た時は不快刺激を見たときに比べて表情表出が容易であると評定された。写真の内容と表情が示す感情が一致していると自然に表情が表出しやすく、その感情が喚起される傾向にあることが示唆された。 さらに、他者の存在と瞬目の関係についての基礎的データを収集するため、評価者の存在が課題遂行と生理反応に与える影響に関する予備的な実験も実施したところ、課題の内容によって他者の存在の有無と瞬目の増減の関連性が異なっていた。難しさや処理形式といった課題の質的な違いが、評価者の存在の有無による瞬目の変化に影響することが明らかになった。 加えて、音楽によるリラクセーションと生理反応の変化を、リラックス効果の有無に関する教示の影響の側面から分析した。教示の内容と曲調が一致していると瞬目が減少することが見出され、瞬目がリラクセーションの有効な生理指標であることが確認された。 以上、他者の存在の有無やその表情が、喚起されるポジティブな感情や笑い表情に影響を与えることが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)