Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度は情報ネットワークによる学校図書館支援システムの構築事例として文部科学省「学校図書館資源共有ネットワーク推進事業」(2004-2006)の指定を受けている中から5地域(島根県斐川町、大阪府羽曳野市、北海道札幌市、埼玉県さいたま市、熊本県熊本市)の調査を行うととともに、文献収集により本研究に関わる事例の情報収集にあたった。本年度に実施した調査の概要は下記の通りである。島根県斐川町:同町では斐川町立図書館が中心となる学校図書館ネットワークを構築しており、学校図書館のスタッフの職能向上などを業務としている。大阪府羽曳野市:同市では、学校への学校司書の配置を進めるとともに学校図書館と市立図書館のネットワークの構築および市立図書館を中心とした配本システムを構築している。北海道札幌市:同市では学校に附設される学校図書館情報センターおよび寄託図書による体制を整えるとともに、中央図書館も独自に調べ学習支援を行うなど、多面的な取り組みがなされている。埼玉県さいたま市:旧浦和市で開始された学校図書館支援センターはさいたま市の成立に伴い所属公共図書館が増加し、その担当する学校数も増えている。熊本県熊本市:熊本市の事例は研究代表者が2002年度に調査を実施しており、その追跡調査として実施した。市立図書館および市立学校を5ブロックに分割して実施する配本システムおよびリクエスト制度、共通利用カードなどのさまざまな取り組みがなされている。成果については、2007年度の図書館情報学会大会で報告し、同学会誌に投稿する予定である。