Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
3か年の研究計画の最終年度にあたる本年度は,中国における入学者選抜方法の改革状況を検討するとともに,わが国および台湾との試行的な比較を通じて,共通点と相違点の抽出をはかった。 中国の状況に関しては,改革の背景を整理するとともに,第1年度の成果もふまえて改革の全体像を明らかにした。同時に,1990年代末以降入学者が急激に拡大するなかで志願者がどのように変化したのかを,統計データを用いて分析した。 一方,中国,台湾とわが国の比較を通じて次のことが明らかになった。すなわち,これらの国・地域は筆記試験を中心とする学力試験を一貫して重視し,とりわけ全国的な学力試験を用いてきたと同時に,近年はそれを中核としながら多様な選抜方法の導入を進めているという共通点があるが,改革の主体や多様化の程度,入学者の学力の担保のしかたや学力試験以外の選考方法における公平性の担保のしかたには違いがみられるのである。たとえば学力の担保としては,中国や台湾では大部分の選抜方法で志願者に対して共通の学力試験を課すしくみになっているのに対して,わが国では,推薦入学やアドミッションオフィス入試では学力試験を課さないことが基本とされている。また公平性の担保のしかたでも,中国では選抜過程の透明性がはかられ,台湾ではとくに面接試験等において詳細な記録を残すといった方法がとられている一方,わが国では制度的に公平性を確保するようにはなっていない。 なお,3か年の研究成果のまとめとして,研究成果報告書『中国高等教育における入学者選抜方法の多様化に関する研究』を作成した。この報告書には,上記内容のほか,研究過程で収集した文献・資料のうち重要だと思われるものを訳出した。
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