無限次元群のゼータ関数と,付随する圏のラプラシアンのスペクトルの研究
Project/Area Number |
16740021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
木本 一史 琉球大学, 理学部, 助手 (10372806)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 圏のラプラシアン / スペクトルゼータ関数 / 既約分解 / 相対不変式 / ヴァンデルモンド型行列式 / ゼータ正規化積 |
Research Abstract |
本研究は,適当な圏における(ある対象の)自己同型群として無限次元群を捉えるという立場から派生して,圏から決まる「圏のラプラシアン」と呼ばれる行列について,特にその固有値及びスペクトルゼータ関数を(「無限次元群のゼータ関数」の候補として)調べることを主たる目的としている.密接に関連する周辺領域の問題も含め,本年度に行った研究は以下の通り: [1]アペリ型数列と保型形式: 非可換調和振動子から定まるスペクトルゼータ関数の($s=2,3$での)特殊値は,アペリ数の類似物(アペリ型数列)を利用した議論によって超幾何型の級数で表すことが出来るが,$s=2$の場合のアペリ型数列がちょうどレベル4の合同部分群に対するウェイト$1/2$のモジュラー形式のフーリエ係数に一致しているようだとDon Zagier氏から指摘された.この観察に対して,アペリ型数列の母関数が適当な楕円曲線の族に付随するピカール・フックス型微分方程式を満たすことを示すことで説明を付けた.$s=3$の場合は現在模策中である. [2]圏のラプラシアンのスペクトル: グラフの隣接行列の類似として定義される圏のラプラシアンの,固有値およびそのディリクレ型母関数であるスペクトルゼータ関数について,現時点で得られている具体的な圏の場合における固有値の評価やスペクトルゼータ関数の特殊値の計算の手法を抽象化し,より一般改な枠組みにおける手法に拡げることを目指した.これについても芳しい結果は得られておらず,現在模索中である. [3]α行列式の表現論: α行列式と呼ばれる行列式の変形が生成する$U(gl_n)$-加群の構造を調べている.α行列式のベキが生成する場合の考察を進めているが,その過程でαが特別な値の場合の「wreath行列式」が生成する$U(gl_n)$-加群の構造が決定できた.
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)