Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
閉Riemann多様体が崩壊した時、対応する微分形式に作用するLaplacianの固有値の極限について研究を行ってきた.Riemann多様体の崩壊の最も基本的な例は、fiber buundleでそのfiberが一様に潰れて底空間に収束するものである.この場合のLaplacianの固有値の極限についてはよく分かっている.一般に、断面曲率が下から一様に抑えられている場合の崩壊は、粗く言うと、このようなfiber bundleが貼り合ってできている.従って、この場合のLaplacianの固有値の極限を調べるというのはごく自然なことであり、とても重要なことである.しかし、貼り合わせの複雑さのため、一般に固有値の極限を調べるのは非常に困難である.そこで、我々はこのような貼り合わせの崩壊の最も簡単な場合、すなわち、2つのコンパクトな境界つき直積Riemann多様体の境界で貼りあわせて得られる崩壊を調べた.ここで、一方のfiberが他方のfiberの境界になっている点が面白いところである.昨年度までは、第1固有値の極限、特に、0に収束する小さい固有値や∞に発散する大きい固有値の存在とfiberのトポロジー関係について調べてきた.本年度はすべての固有値の極限を調べるために、まず関数に作用するLaplacianの固有値の極限を調べた.その結果、昨年度まであった底関数の次元に関する仮定を完全に取りのぞくことができ、関数に作用するLaplacianの固有値が底空間の固有値に収束することを完全に示すことができた.同時に。対応する固有関数の収束も示すことができた.証明方法は、偏微分方程式の関数解析的手法、いわゆる、$L 2$-解析を用いて行った.なお、本結果を論文として発表することができた(別記).
All 2006 2005
All Journal Article (5 results)
Manuscripta Mathematica 121
Pages: 191-200
Mathematische Zeitschrift 250
Pages: 43-57
Journal of Geometry and Physics 54
Pages: 476-484
Mathematische Zeitschrift (発表予定)
Journal of Geometry and Physics (発表予定)