Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
本研究では,2次元複素解析空間の正規特異点(以下,2次元特異点)の解析的不変量である幾何種数を,位相不変量を用いて効果的に評価すること,また,特異点とその普遍アーベル被覆の,幾何種数をはじめとする基本的な解析的不変量を比較することを目標にした. 16年度に,有理型特異点およびリンクがQホモロジー球面になる最小楕円型特異点についてNeumann-Wahlの「スプライス・タイプ予想」を証明したのち,普遍アーベル被覆の研究を続けた.「スプライス・タイプ予想」は,リンクがQホモロジー球面になるある種の2次元特異点の普遍アーベル被覆が,双対グラフから組み合わせ的に定まる多項式系によって定義される完全交叉特異点になることを主張するものである.今年度は,より一般の楕円型特異点についてスプライス・タイプ予想を検討し,肯定的な場合とそうでない場合があることを発見した.また,2次元特異点がスプライス・タイプであるとき,その幾何種数が位相不変量になることを示した.その証明において,特異点解消空間のある例外集合に付随するフィルトレイションを用いたが,PinkhamによるC^*作用をもつ特異点との類似が見られた.今後,その類似点を詳しく調べることが,幾何種数の公式の簡単な表現を得ることや,スプライス・タイプ特異点の性質を理解する上で,役立つと思われる.
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