漸近解析的手法による反応拡散系の縮約とその数学的正当化
Project/Area Number |
16740046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 健一 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (40293120)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 反応拡散方程式系 / 縮約 / 界面方程式 / chemotaxis growth model / 進行フロント波 / 比較定理 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、解の漸近展開の高次の項を利用して、さまざまな自然現象の数理モデルとして提案されている反応拡散方程式系の界面方程式の導出を数学的に正当化し、解の漸近挙動の解析を行った。以下、今年度の研究成果を具体的に述べる。 1.興奮系に現れるスパイラル波の形状および角周波数の解析 Belousov-Zhabotinsky反応に代表される興奮系と呼ばれる化学反応に現れるスパイラルパターンを解析するために、キネマティックモデルと呼ばれる曲線の発展方程式の解析を行った。従来知られていた凸の定常回転スパイラル解だけでなく、凹凸が変化する定常回転スパイラル解の構造を完全に決定し、それをもとにスパイラルの形状と角周波数との関係を数値シミュレーションにより詳細に調べた。 2.走化性生物の増殖・拡散を記述するchemotaxis-growthモデルの界面ダイナミクスの解析 ある化学物質の濃度勾配を感知して移動する生物の個体数密度の時間変化を記述する、chemotaxis-growthモデルの界面ダイナミクスの解析を漸近展開により行った.この方程式は2種連立系であり、通常の意味での比較定理は成立しないが、特殊な形の比較定理が成立する。これを利用して、解の漸近展開の最初の2項を正確に求め、その情報を利用して適切な比較関数(優解・劣解)を構成することで、これまで知られていた優解・劣解よりもより精密な比較関数を構成することに成功した。従来の手法では、特異極限下で得られる界面方程式の解を長時間にわたって捉えることはできなかったが、新しい比較関数ではより長時間の比較による評価が可能になった。これをさらに発展させると、界面方程式の平衡解の線形安定性を利用して,もとの反応拡散方程式系の平衡解の安定性が導かれることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)