Project/Area Number |
16740061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
牛島 健夫 東京理科大学, 理工学部, 講師 (30339113)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 自由境界問題 / クリスタライン曲率流 / ガウス曲率流 / Helle-Shaw問題 / 面積保存の曲率流 / クリスタライン曲率 / クリスタライン・アルゴリズム / Hele-Shaw問題 |
Research Abstract |
本年度行った研究は以下の3点である。 1.3次元のクリスタライン・アルゴリズムの研究(柳下浩紀氏との共同) クリスタライン・アルゴリズムは、自由境界問題に対する直接法の一種と捉えることが出来るが、一般に直接法には数値的な不安定性が生じ易いという欠点がある。しかしながら、クリスタライン・アルゴリズムは、その構成の仕方から、そのような不安定性が生じず優れた解法である。しかしながら、その適用範囲は、主として平面内の曲率運動に限定されていた。この点を改良すべく、我々は、前年度までに、3次元の凸曲面のガウス曲率流に対するクリスタライン・アルゴリズムを構成し、その収束性を明らかにした。本年度は、それに引き続き、このアルゴリズムに基づいた数値スキームを構築し、そのスキームの性質を明らかにすると共に、数値実験を行って、この手法の有効性を確かめた。 2.Helle-Shawセル中を浮上する泡の数値的再現の研究(矢崎成俊氏との共同) 縦置きしたHelle-Shawセルに下方から気泡を注入した際の泡の挙動の観察実験が、三重大の川口研究室において、精力的かつ系統的に行われている。そこで観察された現象の一つに、気泡サイズによる、気泡軌道の分岐現象がある。我々は、前年度に引き続き、この気泡の軌道の不安定性に対する数理的理解を目指した研究を行い、主として、数値実験による幾つかの知見を得た。 3.面積保存の曲率流の解の特異性に関する研究(矢崎成俊氏との共同) 面積保存の曲率流によって、平面曲線はその囲む面積を保存しながら曲線の長さを最も短くする方向に動く。初期曲線の回転数が1である場合には、この問題の解は時間無限大まで存在し、指数的に円に漸近することが知られているが、回転数が2以上の場合には、知られている結果は無いようである。我々が以前構築したこの問題に対するクリスタライン・アルゴリズムによる数値実験で、回転数が2以上の場合、多くの解は有限時間で特異性を生じることが観察された。この問題は非局所項を持つ放物型偏微分方程式によって記述されるが、我々は、その方程式の解の特異性に関する解析的な研究を行い、解が爆発するためのある十分条件などいくつかの知見を得た。
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