ソボレフ臨界指数をもつ非線形放物型方程式の解の漸近挙動に関する研究
Project/Area Number |
16740101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Global analysis
|
Research Institution | Tohoku University (2006) Tsuda College (2005) Waseda University (2004) |
Principal Investigator |
石渡 通徳 (石渡 道徳) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30350458)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 半線形放物型方程式 / 臨界ソボレフ指数 / 時間大域解の漸近挙動 / 無限時間爆発 / Palais-Smale列 / Palais-Smale条件 / ルベーグノルムの挙動 / 初期値空間の構造 / 非線型放物型方程式 / ソボレフ臨界指数 / 解の漸近挙動 / 非コンパクト軌道をもつ力学系 / Sobolevの意味での臨界指数 / 時間大域解 / 時間大域的有界性 / 変分法 |
Research Abstract |
臨界ソボレフ指数をもつ半線形放物型方程式の時間大域解の漸近挙動について研究を行った。劣臨界指数をもつ半線形放物型方程式の時間大域解は、時間大域的に空間方向に有界であるが、臨界指数をもつ方程式の場合、時間無限大の極限で空間方向の解の最大値が無限大に発散する無限時間爆発現象が存在することが1980年代に知られていた。臨界方程式の解析には、劣臨界方程式に有効であった解析手法の多くが適用できない。この困難は、方程式に内在する臨界性に基づくものであり、本質的である。またこの臨界性を反映して、劣臨界問題では見られない無限時間爆発解が存在するため、劣臨界問題を扱う手法を適切に改変することでは、臨界指数特有の現象の解析は難しい。これらの困難のため、臨界問題に存在する無限時間爆発解については、その発生メカニズムや漸近プロファイルの詳しい解析はこれまでなされてこなかった。 本年度の研究では、臨界問題で生じる無限時間爆発解について、1.無限時間爆発解の変分法的な特徴づけ、2.無限時間爆発を起こす解の漸近プロファイルの二点について研究を行った。 このうち1.については、解が無限時間爆発を起こすことと、方程式に付随したリアプノフ汎関数の、解に沿ったPalais-Smale条件が破れることが同値であることが示された。これにより、臨界指数をもう方程式においても、問題に適当な群対称性を仮定するなどの適切な条件のもとで、任意の時間大域解は無限時間爆発しないことが導かれる。また、使われた手法は変分法的な手法と放物型方程式の手法の二つであるが、ここから半線形性に依存する部分を改良することにより、準線形方程式についても同様の結果を導きえる。この結果により、逆に、無限時間爆発を起こす解に沿っては、Palais-Smale条件が破れていることがわかるが、この段階では、無限大に発散する任意の時間列に沿って解は収束しないPalais-Smale列になっているのか、あるいはある時間列があって、その列に沿った解はPalais-Smale列にならないのかがはっきりしない。 課題2においては、球対称性と正値性を仮定すると、前者が起こり後者が起こらないことが示された。このことにより、臨界問題において見られる無限時間爆発現象は、漸近的に自己相似な有限時間爆発現象とは本質的に異なる現象であることが示唆される。またこの結果により、従来不明であった無限時間爆発解のルベーグノルムの時間大域的な挙動と、初期値空間の構造が明らかになった。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)