Project/Area Number |
16740118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
柏川 伸成 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (00290883)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 構造形成 / 銀河形成 / 遠方銀河 / サーベイ観測 / ダークマター / クラスタリング / 宇宙再電離 / 高赤方偏移 / 多色測光 |
Research Abstract |
本研究では、すばる望遠鏡による系統的観測によって構築された超遠方(4<z<7)銀河サンプルを用いて、遠方銀河のクラスタリング進化、すなわち各時代にどれだけ銀河が強く群れをなしているか、を観測的に定量化することを目的とした。小さな銀河が集合・合体を繰り返し現在見られるような大きな銀河に育ったという階層的銀河形成シナリオは、現在多くの観測結果と合致しているが、クラスタリングの進化を追うことはまさにその集合の過程を追うことにほぼ等価であり極めて重要である。銀河形成の初期条件におけるバイアス、個々の銀河における星形成史、など複雑に絡むパラメータは高赤方偏移におけるほど単純化されるので、逆に、クラスタリングの違い・進化を観測的に見ることで、バイアスや星形成史、銀河に付随する暗黒物質質量などに制限を加えることができる。本研究では、z=4,5の時代のライマンブレイク銀河、及びz=5.7,6.5の時代のライマンα輝線銀河についてクラスタリングを定量化した。これらの定量化については一般的に用いられている角度2体相関関数を用いた。 1.まず、z=4,5の時代のライマンブレイク銀河については、過去の研究の通り、そのクラスタリングの強さが静止UV光度に比例することを確認した上でさらに、その相関関数の傾きも、UV光度に強く依存することを初めて見つけた。明るいライマンブレイク銀河はスケール依存性のあるバイアスパラメータを持っているのである。この観測結果を準解析的モデルの予想と比較したところ、この傾きの差は、より重いダークハローほどよりたくさんのライマンブレイク銀河を抱合していることが原因であることをつきとめた。このように、1つのダークハローの中に複数個の高赤方偏移天体が存在することを観測的に見つけたのは本研究が世界で初めてである。 2.次にz=5.7,6.5のライマンα銀河についてはこれらクラスタリングの強さが極端に小さいことを確認した。視野の大きさによるばらつきの不定性は免れ得ないものの、z=6.5においては光度関数が有意にz=5.7との差異を見せていることからも、z=6.5においてはまだ宇宙再電離が完了していないことを示唆するものである可能性も考えられる。これら高赤方偏移ライマンα輝線銀河についてこれだけ大規模なサンプルを作り、丁寧に比較した研究は今回が初めてであり、結論から得られた示唆は重要なものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)