Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
昨年度に引き続き、微小角散乱による偏極RIビーム生成実験をすすめるための準備を進めてきた。まず微小角散乱のためのRIビーム生成に使用する東北大サイクロRIセンターのRFイオンガイドによるRIビーム収量向上のためのRFイオンガイドの改良については、fission productとして得たA=100程度の質量数の領域のRIビームの強度で一定の改善を達成し、これまでの調整の成果を論文として2007年1月のNIM Bに発表した。偏極生成実験に使用する酸素15でのRIビームの製造テストでは依然として酸素の引き出しについては十分な成果が得られていない。生成された酸素15の反跳エネルギーが低いため有効飛程をのばすために従来窒素ガスをターゲットとして使用してきたが、イオンガイド内に導入したビームによりイオンガイド内の窒素ガスから生成されるプラブマによってイオンの収集効率が下がっているとみられる。そこで固体ターゲットの仕様を検討し計算によるシミュレーションを繰り返したところ、反跳エネルギーが低すぎて固体ターゲットの場合には十分な収量が得られないことがわかった。ターゲットの選定は引き続きすすめるが、すでにRIビームとして得られている質量数の大きいRIでの実験を検討する必要がある。実験のための周辺準備はおおむね進んでいるので、イオンガイドの加速電圧を高くする工夫を進めて引き続き実験を計画したいと考えている。イオンガイドで生成されたRIビームの輸送系の改良のための光学計算やそれに関する議論を進めた。またAPAC2007に参加してRIビームの強度向上にかかる新技術の調査をおこなった。偏極測定法としてはβ-NMRの採用を検討しているが、そのための計測系として既存のCAMAC計測系の測定プログラムを偏極測定用に改良する作業を進行中である。またβ-NMRでのスピン制御のためのRF信号モニタ装置やシーケンス制御のための制御環境の開発と構築をおこなった。
All 2007 2005
All Journal Article (3 results)
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B : Beam Interactions with Materials and Atoms volume254 issue 2
Pages: 295-299
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 538
Pages: 218-218
「原子核プローブ生成とそれを用いた物性研究」専門研究会報告 1
Pages: 62-62