Project/Area Number |
16740146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
宮林 謙吉 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (40273833)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | B中間子 / 稀崩壊 / CP非保存 / CP対称性の破れ / b→dペンギン振幅 |
Research Abstract |
対象としたB中間子のファイ中間子・パイ中間子への二体崩壊反応は、きわめて稀な反応で、直接検出が難しいため、間接的な探索として、B中間子のプサイ中間子・パイ中間子への似たい崩壊反応における直接的CP非保存の測定を実行した。この場合、ツリー振幅と呼ばれる弱い相互作用の最低次の振幅には複素位相が入らないが、ペンギン振幅と呼ばれる1ループ振幅はファイ中間子・パイ中間子への崩壊過程のダイヤグラム中でカラー荷ゼロの中間状態から生じるストレンジクオーク対をチャームクオーク対に置き換えただけで、Vtdに起因する複素位相を含むところが共通である。したがってツリー振幅とペンギン振幅の間の干渉効果の帰結である直接的CP非保存の測定が間接測定の役割を果たす。 これは、中性B中間子、荷電B中間子の両方について実行した。前者の場合は、中性B中間子および反中性B中間子のどちらもが共通に崩壊できる終状態であるので、反対側のBのフレーバーをその崩壊生成物から同定し、反B中間子とB中間子の間で崩壊が起きた時刻の分布に見られる差を測定する「time-dependent CP violation」の方法を用いた。データはKEKB加速器/Belle測定器で収集した533 M B中間子対事象のデータを用い、290候補事象を得て、最尤度法によってCP非保存パラメーターを求めたところ、直接的CP非保存は+0.08±0.16±0.05となり、ゼロと無矛盾であった。 荷電B中間子については、陰電荷のものと陽電荷のものの間の崩壊分岐比の比対称度を求めたところ、0.02±0.05±0.02となり、これまたゼロと無矛盾な結果となった。 以上のことより、B中間子の崩壊過程においてクオーク対をカラー荷ゼロの中間状態から作るペンギン振幅はツリー振幅に比べて小さいという知見が得られた。
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