Project/Area Number |
16740168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中嶋 誠 東京大学, 物性研究所, 助手 (40361662)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | テラヘルツ電磁波 / フェムト秒パルスレーザー / 半導体表面 / 金属絶縁体転移 / 光誘起相転移 |
Research Abstract |
2年目に相当する本年は、テラヘルツ波ポンププローブ分光測定装置を構築し、実際に測定を行った。クライオスタットを導入することにより、室温から4Kまでの温度で測定できるようになった。波長800nmのフェムト秒レーザーパルスを励起光とし、励起光に対し時間遅延をかけたテラヘルツ波パルスを検出パルスとして、その透過波形を検出することでピコ秒領域においてテラヘルツ帯の応答(複素屈折率・誘電率・電気伝導度等)を観測することが可能になった。 低温成長GaAsは、短いキャリア寿命を持ち、高速オプトエレクトロニクスデバイスに期待されている物質である。この物質にテラヘルツ波ポンプブローブ分光を適用し、光励起後のテラヘルツ波の透過率及び電気伝導度の時間変化を測定した。光キャリアの緩和時間は0.7psと見積もられた。この値は光領域の過渡反射測定で得られている値に近く妥当な結果が得られた。 また最近800nmの光の照射によって光誘起絶縁体金属転移が報告されている擬一次元臭素架橋ニッケル錯体([NiBr(chxn)_2]Br_2,chxn:シクロヘキサンジアミン)においてテラヘルツ波ポンププローブ分光測定を行った。その結果、光・THz波の偏光が鎖軸に平行な際には、光照射直後にテラヘルツ波の透過率の急激な減少がみられ、その後1.2ps程度の緩和時間を持ち速い緩和成分と遅く緩和成分(100ps程度)を観測できた。偏光方向が鎖軸に垂直な際には、これらの信号は観測出来ず、これらの信号は臭素からニッケル原子への電荷移動励起によって生じたキャリア(ホロン・ダブロン)の伝導によって生じたものである。詳細な機構については現在解析中である。また、定常状態において鎖軸方向に垂直の偏光方向にて、1.7THzに吸収モードが存在することも確認された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)