Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)が隙間の多いケージ構造をとり,様々な原子をゲストとして内包する半導体クラスレート化合物は新しい機能性材料として注目されている。本研究は,特に圧力,温度をパラメータとし,ラマン散乱分光を主なプローブとして半導体クラスレートの超伝導発現のメカニズムや構造相転移に関する新しい知見を得るのが目的である。 本年度の成果として,まずBa_8Au_xSi_<46-x>,Ba_8Ag_xSi_<46-x>のフォノン特性と高圧下での安定性に関する新しい知見を得たことが挙げられる。この物質は、超伝導を示すシリコンクラスレートであるBa_8Si_<46>の特定のSiがAuやAgにより置換されている。これにより物性が影響を受け,x=6では超伝導を示さない。本研究での超高圧ラマン散乱実験により,この物質特有の振動モードが観測された。特にSiと置換したAuやAgが深く関与するモードが低い振動数領域に初めて観測され、理論計算との整合性は良好であった。高圧下での構造安定性については,置換効果が顕著に見られ,構造相転移の圧力が飛躍的に高くなることが明らかになった。 構造III型のBa内包ゲルマニウムクラスレート(Ba_<24>Ge_<100>)については,初めてラマン散乱スペクトルを明らかにし,さらに20万気圧以上の高圧下測定をも行った。その結果,ゲストBaの振動モード,5万気圧における相転移,20万気圧以上でのアモルファス化を初めて観測し,それらに関して詳しく検討した。
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