Project/Area Number |
16740179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中 暢子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 研究拠点形成特任教員 (10292830)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 励起子 / 高密度状態 / ポテンシャルトラップ |
Research Abstract |
磁気光学トラップ中に生成される中性原子気体のボース擬縮相は、超流動ヘリウムや超伝導クーパー対と並ぶ巨視的量子現凝の舞台として近年盛んに研究されている。固体においては半導体中の励起子系のボース凝縮が古くから期待されながら、未だ決定的な実験証拠は得られていない。ごく最近、申請者らは亜酸化銅結晶中のひずみポテンシャルに捕捉された高密度の励起子系をつくり出すことに成功し、トラップ中心に強く局在した発光が観測されることを見出した。この発光の出現は調和ポテンシャルの基底状態に巨視的な和の励起子が溜め込まれたことを示唆している。しかし、発光が非常に微弱なため実空間分解と時間分解を同時に行う計測は難しく、これまでの実験精度ではボース凝縮体生成と結論するに十分な結果は得られなかった。そこで本研究では、励起子分布の時間変化を実空間とエネルギー空間双方において光学的手法により効率良く可視化する方法を開発し、凝縮相生成の可否を明らかにすることを目指した。昨年度行ったトラップ形状の精密評価の結果に基づき、今年度は圧力軸110でのポンプ・プローブ配置にて実験を行った。ゲート付カメラのトリガパルスを最適化することで時間分解能を約6倍向上させることができ、局在光は励起パルスに対して2ナノ秒の遅れをもって出現することが確認された。一方、高分散分光器に高回折効率を有する回折格子を新規導入し、発光の検出効率は1.5倍に改善された。観測された局在発光の偏光依存性について、マイクロ電子ボルトオーダーの励起子微細構造を考慮に入れて計算を行い、局在発光と通常の励起子発光とは起源が異なることを明らかにした。
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