フェムト秒光パルス列によるスピン歳差運動の全光学的制御
Project/Area Number |
16740180
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
|
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
早瀬 潤子 (伊師 潤子) 独立行政法人情報通信研究機構, 基礎先端部門量子情報技術グループ, 専攻研究員 (50342746)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | スピン緩和 / 半導体光物性 / 超高速非線形分光 / 量子ドット / コヒーレントコントロール / 半導体量子井戸 / 超高速分光 |
Research Abstract |
本年度は、InAs積層量子ドットを対象に超短光パルスを用いた時間領域での非線形分光を行なった。入射パルスの偏光条件を変えながら測定を行なったところ、入射光を円偏光もしくは結晶軸から傾けた直線偏光にすると、周期50ピコ秒程度の振動構造が現れることがわかった。詳しい解析の結果、得られた振動構造は量子ドット内のbright励起子間の量子ビートであることがわかった。これは異なるスピンをもつbright励起子間のラーモア歳差運動に相当するものであり、それが量子ドットの非対称性により外部磁場がなくても観測されるようになったものである。これらの結果から、異なるスピン状態間のゼーマン分裂エネルギーなどの基本的な特性を求めることができた。その成果については、Journal of Luminescence誌等に発表予定であるとともに、国際会議で2件の発表を行なった。さらに量子ドットでの観測が難しい、パルスの数を増やした多光波混合信号の取得に成功し、現在測定をすすめているところである。残念ながら、期間中の成果発表まで到達できなかったが、最終目標に向けた大きな足がかりをつくることができた。また昨年度に引き続き、情報通信研究機構量子情報技術グループ及び東京工業大学と共同で、マルチパルス照射時のスピンの時間発展についての理論的解析を行なった。本年度は、今までの理論をさらに拡張し、スピン系が共通の熱浴と相互作用している場合のスピンのデコヒーレンス(ラーモア歳差運動の横緩和に相当)を詳細に計算した。この成果については、Physical Review B誌およびJournal of Luminescence誌に発表した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)