反転対称性を持たない強磁性体UIrにおける圧力誘起超伝導の研究
Project/Area Number |
16740199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
赤澤 輝彦 神戸大学, 海事科学部, 助手 (30346291)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | UIr / 超伝導 / 強磁性 / 空間反転対称 / 時間反転対称 |
Research Abstract |
我々のグループがUIrで発見した圧力誘起超伝導の対称性を実験的に明らかにすることを目的に研究を行っている.本年度の成果は以下の2点である. 1.インデンター圧力セルを用いて交流磁化率測定を最低温度50mK,最高圧力3GPaまで行った.磁化率の温度依存性は,FM3強磁性相のキュリー温度T_<C3>に対応する温度でピークを示した.電気抵抗率の温度依存性からはT_<C3>を実験的に見積もることができなかった2.5〜2.7GPaの圧力範囲で,FM3相と常磁性相の相境界を明確に決定することができた.交流磁化率から見積もられるFM3の臨界圧力P_<C3>は,2.7GPaである.さらに,2.6〜2.7GPの圧力範囲で交流磁化率は,温度を下げていくとT_<C3>で最大値をとった後,マイスナー効果と考えられる急激な減少を示した.このことは,FM3相の中に超伝導相が存在していることを強く示唆している.したがって,出現した超伝導のクーパー対は,時間反転対称を持たないと考えられる. 2.現在実験で使用している希釈冷凍機では,最低温度のまま磁場方向を変化させる機構の導入は不可能である.そこで超伝導上部臨界磁場H_<C2>の異方性測定の手順として,最大の超伝導臨界温度T_<SC>をとる圧力まで試料を加圧しH_<C2>の磁場依存性を測定する.その後印加する磁場の方向を変えるために室温に戻し,圧力セルの希釈冷凍機への取り付け方向を変え,再び冷却し,H_<C2>の磁場依存性を測定する.という手法を採用した.しかし,冷却した圧力セルを室温まで温め,再度冷却するという熱サイクルによって,0.02GPa程度の圧力減少が起きる.超伝導出現の圧力範囲が2.6〜2.7GPaと非常に狭いので,0.02GPaの圧力変化が零磁場でのT_<SC>の値を変化させる.このためH_<C2>の異方性を明らかにできていない.熱サイクルによる圧力の減少は,圧力セルの内部の超鋼とセルカバー材である銅合金の熱膨張率差によって生じている.そこで,内部の超鋼材料と同じ素材で圧力セルカバーを作成した.この改良により,熱サイクルによる圧力の減少は抑えられることがわかった.改良した圧力セルを使用しH_<C2>の異方性測定の準備を行っている.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)