Project/Area Number |
16740212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics II
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
金子 耕士 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究職 (30370381)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | アクチノイド化合物 / 中性子散乱 / 磁気構造 / 多極子相互作用 / 放射線・X線・粒子線 / 低温物性 / ネプツニウム / 115系化合物 / 5f電子 / メタ磁性転移 |
Research Abstract |
国内で初めてとなるNp化合物の非弾性散乱実験を、NpCoGa_5について行い、フォノンの分散関係を決定することに成功した。同じ結晶構造を有する一連の化合物、重い電子系超伝導体PuCoGa_5や、UCoGa_5についてもフォノンを測定し、3者の間で特定の光学フォノンブランチに、顕著な分散の違いが現れることを明らかにした。得られた結果について、理論計算との比較から、その違いに3者のf電子状態の違いが反映されている可能性が高いことを見出した。 特異な2段転移を示す反強磁性体NpFeGa_5について、偏極中性子を用いた回折実験を行い、転移の詳細を明らかにした。これまでにNpFeGa_5は、T_N=118Kで伝播ベクトルq=(1/2 1/2 0)でNpの磁気モーメントがc面内に向くと共に、FeもNpと反強磁性結合した磁気モーメントを有する秩序構造をとることを明らかにしている。今回偏極中性子回折実験を行い、温度を下げていくとT^x=77Kで、伝播ベクトルは変化しないまま、磁気モーメントにc軸成分が現れるとともに、大きさが伸びること、すなわち磁気モーメントが主軸から外れてc面から〜20°程度傾く、極めて特異な磁気構造が実現していることを見出した。類似した転移及び磁気構造は、NpNiGa_5やNpRhGa_5でも実現していることを明らかにしている。これらの構造は磁気的には安定であるとは考えられず、その背景に軌道自由度が重要な役割を担っていることを示唆した。また残されていたNpPtGa_5についても、q=(0 0 1/2)で面内にモーメントの向いた磁気構造が実現していることを明らかにした。 これまでに明らかにしたNpTGa_5で実現している多彩な磁気構造について、局在的な描像である、結晶場基底状態を反映した軌道自由度を考慮に入れることで、モーメントの向きが主軸から外れた特異な構造を含めて、系統的に説明がつくことが理論的に示された。この結果を踏まえ、今後これまでに例のない、遍歴5f電子系における軌道秩序の実証に向け、さらなる研究を展開していくことを予定している。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)