Project/Area Number |
16740223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山口 義幸 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40314257)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ハミルトン系 / 長距離相互作用 / 準定常状態 / 異常拡散 / 有限サイズ効果 / 相互作用距離依存性 |
Research Abstract |
エネルギーが保存するハミルトン系では、相互作用が短距離か長距離かで大きく二つに分類できる。長距離相互作用系の例としては、重力相互作用をする星団や銀河団、電磁気相互作用をするプラズマや水分子系などが挙げられる。長距離相互作用系では、熱平衡状態に緩和する前に、しばしば準定常状態と呼ばれる状態にトラップされることがある。準定常状態のライフタイムは自由度(粒子数)の増大に伴って長くなるため、非平衡状態である準定常状態における統計力学を構築し、そのダイナミクスを理解することは非常に重要である。本研究では、特にダイナミクスの理解を目指した。具体的には、本年度は拡散現象に着目し、平均二乗変位が時間に比例する通常拡散か、そうではない異常拡散かを理論的に予測し、数値計算によって検証した。モデルとしては、長距離相互作用系の典型的な例である平均場相互作用をするHamiltonian Mean-Field(HMF)モデルを取り上げた。平均場系は自由度が十分に大きいときには1体分布関数方程式であるVlasov方程式でよく近似される。初期状態に依存して異なる準定常状態に落ち着くため、われわれは2つのタイプの1体分布関数を初期状態として用意し、それぞれの初期状態から到達する準定常状態における拡散を調べた。その結果、ひとつの初期状態では速い異常拡散を起こすことを理論的に導き、数値実験によって確かめた。またもうひとつの初期状態では平均二乗変位は時間に比例するが対数関数による補正を受けることも理論的・数値的に確かめた。これらの結果、準定常状態における拡散が通常拡散か異常拡散かは初期状態に依存していることがわかった。また後者の結果は、本質的には通常拡散であるものの、対数補正が効いているために短い時間では見かけ上異常拡散に見えるという例になっており、通常拡散か異常拡散かを判定するためには、相当の注意が必要であることを示唆している。[J.Stat.Mech.に発表]
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)