Project/Area Number |
16740227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田中 玲子 独立行政法人理化学研究所, 生物制御システム研究チーム, 研究員 (50306875)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 非線形振動子系 / 隠れ振動子 / 時空間パターン / 代謝系 / ネットワーク構造 / 結合振動子系 / 境界条件 / 対称性 / 体積保存 / 振動パターン |
Research Abstract |
これまで我々は、非線形振動を示す生きた真性粘菌を用いて、対称性を有する結合振動子系を構成し、この系の示す時空間パターンを系の対称性のみから理論および実験の両面から明らかにしてきた。粘菌を鎖状に配置した系では、系のもつ陽な対称性に対称性破壊分岐の理論を適用しただけでは説明できない時空間パターンが観測されていた。この観測結果は、N個の振動子からなる鎖状結合振動子系の境界条件を、実際には存在しない「隠れ振動子」を想定し、(N+1)個の環状結合振動子系の周期境界条件として扱うことでうまく説明できる。本研究では、この「隠れ振動子仮説」の論拠を示すことを目的とし、粘菌以外の結合振動子系(BZ反応系)による実験および数値シミュレーションを行った。BZ反応系については系の立ち上げが完了し、今後安定した結果が得られるよう系を改良し、隠れ振動子パターンが現れることを確認していく。また、粘菌結合振動子系における粘菌の総体積一定という拘束条件を結合振動子系連立常微分方程式モデルに組み込んだ数値シミュレーションでは、拘束条件による効果が様々な時空間パターンの特徴として現れることを確認した。これらと隠れ振動子仮説との関係を数理的に明示することが今後の課題である。さらに、本研究で得られたネットワーク構造に関する知見を用いて、代謝ネットワークの構造解析を行った。その結果、生物におけるネットワークがロバスト性や効率性など複数の指標をバランスよく実現するために不可避な構造を示していることを明らかにした。また、同様の性質が大規模人工ネットワークの代表であるインターネットについてもあてはまることを明らかにした。
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