Project/Area Number |
16740231
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中西 俊博 京都大学, 工学研究科, 助手 (30362461)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 二光子吸収 / 光子対 / 光電子増倍管 / 自発パラメトリック下方変換 / 疑似位相整合 / 二光子波動関数 |
Research Abstract |
本年度(平成17年度)は、まず、前年に行ったコヒーレント光を用いた実験を進め、後の光子対の実験で必要となるパラメータを導き出すことにした。光電子増倍管の光電面(バイアルカリ金属)におけるカスケード2光子遷移を対象とし、この光電面に1064nmの波長のレーザ光を入射することで誘起される2光子電流を測定することを試みた。そして、入射光強度に対する光電流が2乗に比例することや、ビーム断面積に対して光電流が反比例するという理論通りの結果が得られた。実験の結果、測定可能な光子対の出力は100nW以上はいることが分かった。 これを元に、本来の目的である自発パラメトリック下方変換過程によつて発生した時間相関のある光子対を用いた2光子遷移の実験を行った。高出力の光子対がいることから、疑似位相整合導波路型PPLN素子を利用することにした。ポンプには532nmの波長で200mW出力の固体レーザを利用した。素子の温度を制御することで、最大200nW程度の光子対ビームが得られた。コヒーレント光を用いた実験より光強度はこれで十分だと思われたが、実験では光電流は検出されなかった。これは、プリズム1つを用いて、ポンプ光(532nm)と光子対(1064nm)の分離を行った際に、広いスペクトル帯域をもつ光子対の波長分解が起こってしまったからと考えられる。これに対しては、プリズムの代わりにフィルターを用いてこの問題は克服できると考え実験を行っている。 実験と並行して光子対による2光子吸収の理論的考察も行った。2光子吸収と相互作用する光の場を2光子波動関数を用いて表現することで、任意の2光子状態に対する2光子遷移を定式化することができた。そして、2光子吸収の大きさは二光子波動関数の形に敏感に影響されることが分かった。今後は、このことを実験的に確かめることも予定している。
|