結合振動子としての生命システムの自律分散的な機能発現と位相ダイナミクス
Project/Area Number |
16740243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
猪本 修 九州大学, 大学院システム生命科学府, 特任助教授 (50332250)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 細胞間相互作用 / 結合振動子 / 位相ダイナミクス / 自律分散系 / 極微弱生体発光 / 活性酸素 / 極微弱生命発光 |
Research Abstract |
哺乳動物由来の培養細胞の代謝相関と協調による同調的な細胞機能を実験的に研究した。すなわち、ヒト子宮頸がん細胞であるHeLaに抗腫瘍薬を投与しアポトーシスを誘導すると、ある培養条件下でアポトーシス進行が局所的に同期し、巨視的スケールでチューリング様構造を形成することを見い出した。このようにアポトーシスに関わる細胞内シグナル伝達が細胞を超えて相関をもち、何らかの協調機構の存在が示唆されたため、この新奇なパターン形成現象について詳しく調べた。 まず細胞からの代謝シグナルを無侵襲的に検出する目的で、昨年度までに構築した極微弱発光測定装置を改良し、検出感度を高めるとともに細胞培養の維持時間を60時間まで延長し、長時間にわたる代謝変動の測定を可能とした。ここで極微弱発光(UPE)とは、細胞内代謝やシグナル伝達において生じるフリーラジカルを起因とする発光現象である。通常状態にある細胞は活性酸素消去系などの作用によりほとんど発光を示さないが、生体防御機構によりフリーラジカル生成量が過剰となると、細胞構成成分の過酸化とともにUPEが増大する。 次に、アポトーシスのうちフリーラジカルが関わるシグナル伝達過程に着目し、UPEを用いてアポトーシス動態を詳しく観察した。実験系には抗がん剤(2-ME)による腫瘍細胞(培養細胞)のアポトーシスを用いた。細胞から発生するUPEを高感度計測した。その結果、2-MEを投与しない培養条件では、HeLa細胞はごくわずかのUPEを示すのみであったのに対し、2-MEを投与すると細胞からの発光レベルが有意に上昇した。発光強度は時間的に一定でなく絶えず揺らいだ。一方、同調培養を行ったサンプルに2-MEを投与すると、ほぼ一定の時期に顕著な発光バーストが見いだされた。この発光バーストのタイミングはアポトーシスに伴う細胞形態の変化に先立つため、発光バーストがアポトーシス最終段階のdeath signalではなく、シグナル伝達の比較的上流側の反応過程に依存することが示唆された。ここで発光バーストは細胞内シグナル伝達の細胞間相関を意味するが、このバーストとともにアポトーシス細胞のクラスター構造が観察された。この細胞間協調がマクロスコピック・スケールでのアポトーシスを亢進するものと考えられる。但しこの協調性を担う細胞間シグナル伝達機構は未解決として残された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)