Project/Area Number |
16740277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
野中 正見 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (90358771)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 南太平洋 / 水温躍層 / 経年・十年規模変動 / 太平洋赤道域 / 海面水温変動 / 水温躍層水沈み込み過程 / 亜熱帯モード水 / 海洋大循環モデル / 海洋混合層分布 / 温度躍層 / 温度躍層水沈み込み過程 / 気候変動 |
Research Abstract |
南太平洋亜熱帯域では、海洋表層下を赤道方向へ拡がる水温偏差が見られ、この水温偏差が赤道域へ達して、大気変動を通じ、エルニーニョ現象のように地球上の広範囲の気候変化に影響する可能性も考えられている。しかし、海面水温が暖かい(冷たい)とき、表層化に冷たい(暖かい)水温偏差が形成される傾向があり、その水温偏差の形成過程に強い疑問が持たれてきた。Yeager and Large(2004)は、この水温偏差が鉛直混合によって形成される可能性を指摘したが、本研究では、南太平洋東部亜熱帯域に特徴的な海面水温・塩分分布に注目して、この表層下の水温偏差形成に新しい仮説を提案した。 南太平洋東部亜熱帯域では、低緯度側に高温高塩水があり、高緯度側に低温低塩水があるために密度が相殺して海面密度の南北勾配がとても弱く、海面の等密度線は年々南北方向に大きく移動する。海面水温が暖かい(冷たい)偏差を持つと、そこでの密度が低く(高く)なるため、等密度線は極(赤道)側に移動することになる。そして、等密度線が低緯度側に移動すると、その場所の海面水温が高いため、そこから表層下へ続く等密度面上には、暖かい水温偏差を持つ水が沈み込んで行くと考えられる。実際、海洋大循環モデル中でこれらの年々変動を比較すると、海面水温が冷たい(暖かい)ときに等密度線が赤道(極)側に移動し、暖かい(冷たい)水温偏差が形成されるという関係が見られる。この水温偏差は5年ほどかけて西岸域にまで達し、その一部は赤道域にまで達する。もし、赤道域に達した暖かい水温偏差が更に東部赤道域の海表面に暖かい水温偏差を生じさせることがあれば、南太平洋東部亜熱帯域の海面水温はそれに正相関を持つため、最初とは逆に、表層下に冷たい水温偏差を生じさせ、十年規模のサイクルを作り出す可能性があると考えられる。これらの研究成果はJournal of Climateに掲載された。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)