Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究における主要な成果は以下の1〜3であるがとくに3の成果に総括される. 1.長野県北部高野ボーリングコア試料に挟まる広域テフラ層の層序と編年 本コア試料は約16万年前から約3万年前までの湖成堆積物からなり,広域テフラ層であるAso-2,Aso-3,SK, Ata, Aso-A〜D, K-Tz鬱陵島起源のテフラ層をそれぞれ同定するとともに,それらの層序関係と編年を行った.この成果を第四紀研究誌に投稿し,現在印刷中である. 2.鮮新・更新統におけるテフラ層序と編年 日本の代表的な鮮新-更新統に挟まるテフラ層について,その岩相・層厚・粒度組成・粒子組成・火山ガラスの形状組成・火山ガラスの化学組成などの資料を既存の文献から整理した.また各種の年代学的資料を用いて,鮮新-更新世のテフラ編年図を作成した.この成果を現在第四紀研究誌に投稿し,現在印刷中である。またテフラデータベース2007年度中に公表する予定である. 3.中〜大規模爆発的火山噴火の長期将来予測に関する検討 大阪地域および房総地域の鮮新世から更新世のテフラ層序と編年に関する成果を中核として,過去300万年間について検討したところ,九州の大規模爆発的噴火は過去120万年間に合計26回あった.この間の広域テフラ層の噴出マグマ体積は1500km^3にもおよぶ.噴火の頻度を平均すると4.6万年に1回となるが,等間隔で噴火しているわけではない.中部九州では,数万年程度の期間に2〜3回の連続した大規模噴火が,おおよそ20万年間隔で繰り返し発生している.南九州では,2回程度の連続した大規模噴火が,おおよそ10数万年の間隔で繰り返している.またテフラ層の年代と噴出規模から,噴出量累積階段図を作成すると,九州のカルデラ火山の大規模噴火によるマグマ噴出率は大局的に見るとほぼ一定にみえる.なお,山陰の第四紀火山によるプリニー式噴火によるテフラ層と箱根火山起源と推定されるテフラ層は,高海水準期に集中して出現する傾向がある.
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