Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は、1999年に起こった台湾集集地震の起源断層における変位量の大きい部分(アスペリティー)を掘削し、断層物質を得、その物質の変形や粘土鉱物塑性から断層における岩石-流体間反応を明らかにすることである2005年度は以下の作業を行った。1)2004年に行った掘削現場における変形構造記載の解析、2)粘土鉱物解析、3)古応力場推定である。1)変形構造記載の解析から、3つの強変形帯が確認された。上部2つの変形帯はガウジや角礫変形によって特徴付けられているのに対し、最下部の変形帯はオープンクラックや鉱物脈の集中で特徴付けられる。最下部の変形帯以深において、流体の移動経路が形成されていた事を示唆する。2)粘土鉱物解析によって、上部2つの変形帯と最下部の変形帯における緑泥石の特徴が異なる結果を得た。上部2つの変形帯においては変形の程度によって緑泥石に特に違いはなかったが、最下部の変形帯では角礫岩の緑泥石に鉄イオンの濃集が確認された。これは、最下部の変形帯のみに岩石-流体反応が卓越した事を示している。3)小断層解析から古応力場を推定した。上部2つの変形帯では、現在の地殻変動から推定される応力場とどうようの応力場が得られた。一方、最下部においては、これとは異なる横ずれ変形を示唆する応力場が得られた。このような応力場の違いは流体圧がなんらかの影響を与えた可能性を示唆する。また、引き続き行われた掘削試料(Hole-B)が高知大学海洋コア総合研究センターに持ち込まれ、主に海洋研究開発機構高知コア研究所のメンバーによってコアの非破壊検査が行われた。私もコアメンバーとしてこの業務に参加し、データを取得した。今後、上記の成果をもとにHole-Bコアにおいても試料分析を進めて行く予定である。
All 2005 2004
All Journal Article (8 results)
Asia Oceania Geoscience Society 2^<nd> Annual Meeting
地球惑星科学関連学会合同大会
American Geophysical Union Fall Meeting
Asia Oceania Geoscience Society 2^<nd> Annual Meeting (口頭発表)
地球惑星科学関連学会合同大会 (口頭発表)
American Geophysical Union Fall Meeting (口頭発表)