Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
研究代表者が独自に見いだしている単結晶ガス吸着剤であるロジウムおよび銅の安息香酸-ピラジン錯体を用いて、水素ガス吸着構造の決定に成功した。また、架橋配位子であるピラジンへのアルキル基を置換した誘導体結晶の合成を行い、ガス吸着誘起相転移特性の異なる単結晶ガス吸着剤の創出に成功した。ピラジン上に導入されたアルキル基は細孔表面に露出するため、アルキル基によって結晶内の細孔表面を分子修飾できることが明らかになった。メチル基を導入した結晶では、細孔表面に修飾されたメチル基が吸着ガス分子の結晶内拡散に干渉する。そのため、これまで困難であった吸着酸素分子を室温でさえ単結晶X線構造解析によって明瞭に捉えることに成功した。室温から10Kまでの広い温度範囲にわたる単結晶X線構造解析を行い、酸素吸着構造を決定したところ、狭い1次元細孔中に取り込まれて形成される一次元鎖状分子酸素の配列構造は温度誘起の構造相転移によって高温相、中温相、低温相の3状態があることが分かった。この吸着酸素の3つの相は吸着平衡状態での流体相の高温相、飽和吸着状態で柔粘性をもつ中温相、細孔壁を介して三次元的にオーダーした共結晶相の低温相であると考えられる。酸素は常磁性分子のため、磁気測定によって酸素の低次元磁性を観測するのに成功し、この中温相は磁場に誘起されて酸素間配置が変化する挙動がみられた。
All 2006 2005 2004
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