イオン交換と吸着濃縮法を用いた電気化学的超高感度リン酸定量法の開発
Project/Area Number |
16750061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
久保埜 公二 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00269531)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | リン酸イオン / イオン交換 / 吸着濃縮ボルタンメトリー |
Research Abstract |
本研究は、従来法であるモリブデンブルー(MoBL)法の溶液に過剰量共存するモリブデン酸イオンを、イオン交換樹脂により除去し、生成物であるMoBLを分離・分解した後、モリブデンの濃度測定することで、間接的にリン酸イオンの定量を行うものである。 本年度は、16年度に選定した樹脂の他に、これを化学修飾した樹脂を用いて、より低濃度のMoBL溶液を用いて分離・分解を行うための最適条件と、遊離後のモリブデンイオンを定量する吸着濃縮ボルタンメトリー法(ACSV法)における最適条件について検討を行った。さらに、ACSV用の配位子開発も併せて行った。ここで、モリブデンのACSV測定は吸着濃縮用配位子としてマンデル酸、増感剤として塩素酸ナトリウムをそれぞれ用い、pH2.0、吸着電位-0.1V vs. Ag/AgClで行った。なお、良好な検出ピークが得られなかった配位子(H_2ClbpiとHCl_2bpipe)については、モリブデン等の金属イオンとの錯体合成を試み、構造解析等を行うことで、配位子の錯形成能を調べ、イオン交換樹脂への応用を検討したところ、銅(II)と安定な錯体を形成することが分かった。 リンイオン濃度0〜200nMに調整したMoBL溶液から、昨年度の方法によってMoBLを分離・分解した後、上記最適条件で定量実験を行った。なお、今年度は昨年度の検出限界値(約20nM)を改善するために、樹脂並びにその洗浄方法ついて重点的に検討を行った。その結果、この結果、モリブデンブルー生成に使用するモリブデン酸と樹脂量を少なくし、さらに溶液通過後の樹脂を塩酸で洗浄することで、ACSV法におけるモリブデンの空試験値は約3nmolにまで下がり、これによって検出限界は1.8nMまで大幅に改善された。以上のことから、本手法によって低濃度のリン酸イオンの定量が可能であることが示された。さらに、本手法をよりクリーンな条件で、モリブデンブルーの分離、並びに分解反応を効率よく行うためのフロー系システムの構築について検討を行った。その結果、現在使用しているカラムをキャピラリーカラムに換え、より高圧力のポンプを用いれば、さらに検出限界値は改善されることが分かった。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)