Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
金属錯体による酸素分子の活性化の方法の一つとして二核構造が有効であると考えられる。二核の構造に由来するはさみこみの協同効果で酸素錯体が生成するという作業仮説に基づき、また、高効率な触媒的酸素酸化反応への目的として、種々の配位子とスペーサーを有する二核ルテニウム錯体の合成を行った。金属-金属結合間の距離、および、金属上の電子密度を調節することにより、酸素分子の活性化能および活性錯体の酸化活性を制御できると考えられる。二核ルテニウムテトラアセテート錯体の架橋アセテート配位子を水溶媒中でカーボネート配位子へ置換することを検討した。アセテートおよびカーボネートの混合比を変化させることにより、1置換、2置換、3置換、4置換と2種類の架橋配位子の存在比を制御できることを重水中における常磁性^1H NMR測定により明らかにした。特に、そのアセテートケミカルシフトが、カーボネート配位子の数の増加に従い低磁場シフトすることから、Ru_2^<5+>コアにおける電子密度を大きく変化していることが明らかとなった。新規に合成したアセテート・カーボネート混合架橋型二核ルテニウム錯体は、高い水溶性を有する。錯体の水溶性を利用し、水溶媒中におけるアルコールのカルボニル化合物への酸素酸化反応の開発に成功した。アセテートおよびカーボネートの混合比と触媒活性は密接に関連し、3:1の時に最も高活性となることが明らかと成った。
All 2005 2004
All Journal Article (4 results) Book (4 results)
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Tetrahedron Asymmetry 16
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