非立体反発型誘引的相互作用によるエナンチオ制御を機軸とした新規不斉触媒反応の開発
Project/Area Number |
16750082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
是永 敏伸 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (70335579)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ペンタフルオロフェニル基 / 不斉ボラン還元 / オキサザボロリジン / 鈴木-宮浦カップリング / ペンタフルオロフェニルボロン酸 / フッ化セシウム / 酸化銀 / 分子ピンセット / スタッキング相互作用 / ボロン酸 / 鈴木-宮浦反応 / カップリング反応 / 静電相互作用 |
Research Abstract |
研究課題に従い、本年度は3点に焦点を絞り研究を推進した。 (1)誘引的相互作用を発現するためのペンタフルオロフェニル基を有する金属錯体の分子設計・合成、及び触媒反応の検討 昨年度、新規に合成したホウ素上にペンタフルオロフェニル基を有する新規オキサザボロリジン触媒を用い、芳香族ケトンの不斉ボラン還元反応を行った。しかしながら、ペンタフルオロフェニル基による誘引的相互作用が、不斉反応に有意に働いた形跡は見られなかった。そこで、反応基質を芳香族イミンに変えて現在反応検討を行っている。 (2)ペンタフルオロフェニル基の新規導入反応の開発 ペンタフルオロフェニル基の特異な反応性は新規分子の開発の障害となり、触媒に誘引的相互作用を発現させる分子の構築の妨げとなる。この一つの解答として、昨年度、ペンタフルオロフェニルボロン酸を用いても効率的にヨウ化アリールや臭化アリールと反応する鈴木-宮浦カップリング反応の開発に成功した。本年度は、さまざまな臭化アリールを用いても高収率で反応が進行することを示し、ペンタフルオロフェニルボロン酸を用いる本反応は高い基質汎用性を有することを明らかにした。また、本反応の核となる添加剤であるフッ化セシウムと酸化銀のパラジウム触媒への影響についても実験的考察を行った。 (3)ペンタフルオロフェニル基が関与する誘引的新規相互作用の探索 昨年度、有機溶媒中のペンタフルオロフェニル基とアリール基の相互作用に関する知見を得ようと考え、ペンタフルオロフェニル基を有する分子ピンセットを開発し、この分子ピンセットを用いた相互作用に関する研究を行った。本年度は、この分子ピンセットによる芳香環との相互作用に関する実験結果を分子軌道計算によるアプローチにより解釈し、この相互作用が静電相互作用に基づくものであることを証明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)