Project/Area Number |
16750151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
竹口 昌之 沼津工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (30321441)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | メタン資化細菌 / 銅結合性ペプチド / 銅 / 酸素 / メタン |
Research Abstract |
メタン資化細菌は発癌性物質である有機塩素化合物の分解や、工業的に重要な反応であるアルカン、アルケンの酸化反応をおこなう微生物である。この微生物の生育には銅イオンを必要とするが、銅イオンの細胞内への取り込み機構は明らかにされていない。近年、メタン資化細菌が培養液中に銅と特異的に結合する化合物を生成することが明らかにされた。現在までに、この化合物の構造および生理作用について詳細は明らかにされていないが、銅の代謝に関与していると考えられる。そこで本研究では、メタン資化細菌Methylocaldum sp.T-025株から銅結合性化合物を精製し、その構造解析を行なうことを目的とした。 培養液中に生成した黄褐色化合物の分離精製方法を以下に簡単に示す。培養液を遠心分離により菌体と培養上清とに分離し、培養上清を固相抽出により濃縮を行い、その後、凍結乾燥により乾燥試料を得た。得られた乾燥試料を陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーにより精製を行い分析用試料とした。陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製の段階で、試料が大きく分け4つのピークに分離され、それぞれピークI,II,III,IVとした。そこで、原子吸光分析を行いどの成分に金属イオンが含まれているかを調べた。結果はピークIVに最も多くの銅及び亜鉛イオンが検出されピークIVの中に銅及び亜鉛と結合する黄褐色化合物が含まれていると考えられる。そこでピークIVをゲルろ過クロマトグラフィーによりさらに精製を行なった。なお陰イオン交換クロマトグラフィーにおける吸着特性からpH8.0においてこの黄褐色化合物はマイナスチャージになることから分子中に酸性アミノ酸を含んでいることが示唆された。 ゲルろ過クロマトグラフィー後の精製試料をマトリックス支援イオン化-飛行時間型質量分析(MALDI-TOF-MS)を行なった。分析に用いたマトリックスは主にペプチドの分析に用いられるα-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸を用いた。結果は1066.5 Mass/Chargeにピークが検出され、さらにこのピークにおけるイオン化分解物質量分析(PSD-MS/MS)を行なった。この分析結果は黄褐色化合物中にはグリシン、セリン、プロリン、システイン、チロシン、メチオニンが含まれていると示唆していた。
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