Project/Area Number |
16750159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
千住 孝俊 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70322097)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 水素結合系顔料 / 電子構造 / 色材 / 結晶構造 / 分子間相互作用 / チアジン・インジゴ / 分子性結晶 / 光物性 / チアジン-インジゴ |
Research Abstract |
先年度、2,9-ジクロロキナクリドンの単結晶を高真空下気相から育成したところ、顔料の色とは全く異なる黒色を帯びた針状晶が得られた。構造解析の結果、この結晶相には水素結合系顔料でありながら水素結合が存在しないことを見出した。しかしながら、工業的に最も重要である赤色の結晶相についてはまだ構造が未知であったため、極性溶媒からの再結晶法により結晶育成を行ったところ、赤色の板状晶が得られた。この結晶と市販顔料は粉末X線回折から同一の結晶相であり、結晶中には平面型の水素結合ネットワークを形成していることが分かった。従来この結晶相はγ相と呼ばれ交差型の水素結合ネットワークを形成していると考えられていたが、単結晶構造解析の結果このことが正しくないことが証明された。 また、赤色と黒色の発色機構を半経験的分子軌道計算により検討した。赤色相と黒色相の分子には約76kJ/molもの大きなエネルギー差があり、黒色相の分子はヘテロ環内の結合長の歪みによって不安定化していることが分かった。また、INDO/Sハミルトニアンによる吸収スペクトルの計算結果から、この構造の歪みによってスペクトルの大きな長波長化が誘起されていることが分かった。結晶の色が黒色を呈するのはこのように分子単位で大きく吸収帯が長波長化することと、この吸収帯が幅広で可視域の全体をほぼ覆うためであることが分かった。一方、赤色相は水素結合によってhead-to-tailの配置に揃えられた遷移モーメント間の相互作用による励起準位の安定化によってスペクトルの長波長化が誘起されていると考えられる。 また、黒色相は270℃程度の加熱によって赤色相へと相転移可能なことが熱分析結果から明らかとなった。 さらに,3,10-ジクロロキナクリドンの単結晶育成にも成功し、構造解析を行ったところ、2,9-ジクロロキナクリドンの赤色相と同形であることが分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)
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[Journal Article] (1RS,4SR,8SR,11RS,15SR,18RS,22RS,25SR)-1,4:8,11:15,18:22,25-Tetraethano-29H,31H-tetrabenzo[b,g,l,q]porphine chloroform disolvate2005
Author(s)
S.Aramaki, Y.Sakai, H.Yanagisawa., T.Senju, J.Mizuguchi
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Journal Title
Acta Crystallographica Section E : Structure Reports Online E61
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