Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,リチウムイオン伝導性の高い化合物を開発すること及びその薄膜作製とリチウムイオン二次電池への応用である。今年度は,昨年度に引き続きLi_3InBr_6の置換化合物合成・評価を行うと共に,薄膜作製,電気化学測定および全固体二次電池の作製と評価を行なった。 化合物の合成は,Li_3InBr_6のIn, Brをそれぞれ置換した化合物を合成した。固相法による反応であるため,固溶体を形成したものと混合物となったものがあったが,長時間の粉砕混合・焼成を繰り返すことで,Li_3InBr_6と比較して伝導度を5〜10倍以上増大させることに成功した。アニオンが変化することによりLiの拡散障壁が大きくなったと考えられる。10種類以上の置換を行なったが,全体的な傾向は見出せておらず,試行錯誤的な合成の結果に伝導度の改善を達成したものである。NMR測定において,Liイオンの拡散が確認できており,置換によってその拡散がより低温化していることを見出した。薄膜の作成では,膜の平坦性などはまだ不十分であるものの,真空蒸着法によりLi_3InBr_6の薄膜を得ることができている。 また,電気化学測定においては,リチウムとステンレスを電極としたとき,Li金属の溶解と析出反応による電流ピークを観測し,Li_3InBr_6が:Liイオン二次電池の電解質として使用できることが示された。 全固体二次電池の作製・評価では,Li_3InBr_6やその置換化合物を電解質として使用できることが明らかとなった。正極や負極を選択することによって大幅に容量が増加し,市販電池にまだ及ばないものの,起電力3V強,容量80mAh/gの値を得ている。Ti系の活物質では,200mAh/gの容量を得た。このような全固体二次電池は,安全性・信頼性を格段に向上できることから,将来的な大電流電源への応用が期待される。
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