Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
層状遷移金属酸塩は2次元的なソフトマテリアルであり、その層間を利用して様々な機能性を持たせることができる。本研究では層間プロトンの特性を活かした材料合成と機能性付与ならびに、層自身の機能性を活かした電極材料への応用を検討する。平成17年度は主として層状ルテニウム酸水和物の工業電解用電極触媒特性の評価を行った。 層状ルテニウム酸カリウム粉末を酸化ルテニウム被覆チタン電極に塗りつけ,構造安定性をもたせるために熱処理を施した。得られた電極材料を,硫酸中(水素,酸素発生反応活性)およびNaCl+HCl水溶液中(塩素発生反応活性)にて電気化学特性を評価した。その結果,層状ルテニウム酸水和物は酸素および塩素発生反応に対して高い活性を示した。層状ルテニウム酸水和物のコーティングにより,未被覆の酸化ルテニウム被覆チタン電極よりも数倍大きな電流が得られ,最大150mVの電圧低下が達成された。これは,層状ルテニウム酸水和物自信の優れた電子伝導性と層間の高いイオン伝導性により,層間が電極触媒能を有するナノ構造電極触媒として機能し,反応活性面積が増大したことに起因すると考えられる。上述の成果より,大電流運転が可能な省エネルギー電解への展望が開けた。なお,層状ルテニウム酸水和物は水素発生反応に対しては構造安定性を有さなかった。
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