Project/Area Number |
16760011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金田 昭男 京都大学, 工学研究科, 研究員(COE) (80372572)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | InGaN / 近接場 / 貫通転位 / 非発光中心 / 局在励起子 / 輻射・非輻射再結合 |
Research Abstract |
本研究は、InGaN量子井戸構造において、本来ナノ構造に起因しているはずの輻射、非輻射中心へのキャリア・励起子の局在過程、拡散過程といったダイナミックな特性を、近接場光学顕微鏡を用いたナノ分光法により明らかにして、微視的視点からのInGaN量子井戸面内のIn組成揺らぎに因した量子ナノ構造と発光機構との関わりを解明することを目的としている。本年度に得られた結果を以下に示す。 1.昨年度に引き続き、光ファイバー内の極端パルス光の伝送時間に関する測定を行った。通常のシングルモードファイバーにおいて、赤〜近赤外領域の光はパルス幅広がりなどの影響がほぼないか、小さいことが明らかになっている。一方、紫色〜紫外領域の光では、伝播特性は不明であり、パルス幅が広がることが予想される。従って、相互相関法により、波長400nm、パルス幅約100fsのレーザ光のパルス幅広がりの測定を行った。長さ0.5mの光ファイバー透過後にはパルス幅が約1.5ps程度まで広がることが分かった。長さ1.0mの光ファイバー透過後では、メインパルスのピークから、-2、-1、+1、+2psの位置にサブパルスが現れることが分かった。さらに、長さ1.5mの光ファイバー透過後には、メインパルスのピークから2ps遅れた位置にメインパルスとほぼ同程度の強度、パルス幅を持つ光が導波することが分かった。 2.近接場光学顕微鏡(SNOM)と原子間力顕微鏡(AFM)によって、InGaN量子井戸構造の量子井戸面内における貫通転位と非発光中心との関係を明らかにすることを目指した。その結果、青色発光InGaN量子井戸構造では、紫色発光InGaN量子井戸構造とは異なり、AFMで観測した貫通転位の位置とSNOMで観測した弱発光強度領域との間に相関関係がないことが分かった。さらに、発光ピーク揺らぎ幅が100meVと大きいことが分かった。この結果は、量子井戸面内におけるポテンシャル揺らぎが大きく、キャリアの拡散長が短いため、貫通転位を起源とする非発光中心へ捕らえられる確率が低くことを示している。
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